UW IMAP server は University of Washington の Mark Crispin 氏によって開発が行われており、Mark Crispin 氏が IMAP4 関連の RFC の著者でもあることから、IMAP4 のリファレンス実装的な位置付けにもあります。
しかし、時々、セキュリティホールが見つかるため、常に最新版の動向を調べる必要があります。参考までに CERT/CC や SecurityFocus (BAGTRAQ) などで 2000年5月7日時点で報告されたものの一覧を載せます。要は最新版以外のものは使うべきではないということです。
また、ユーザ数が増えるとパフォーマンスが悪くなるという話も聞きますので、他の IMAP サーバを使うことも検討してみてください。
ここでは次の条件のもとでインストールを行うことにします。
MTA に qmail を用いるのであれば Maildir 形式のスプールを使いたいところですが、UW IMAP server ではサポートしていません。ただし、サードパーティのアドオンドライバがあります(docs/FAQ)。しかし、UW IMAP server は mbx 形式のスプールを扱うように最適化されているため、Maildir 形式のパフォーマンスはよくないという話もあります。
IMAP Information Center からパッケージを取得してください。2001年1月7日時点での最新版は 2000a です。
パッケージを展開します。
ここで、方針に従って、次のことを行います。詳細は docs/CONFIG を読んだ下さい。
まず、~/Mailbox を使うために、src/osdep/unix/env_unix.c に対して、の関数 sysinbox () において
を
sprintf (tmp,"%s/Mailbox",myhomedir ());
に書き換えます。
次にトップの Makefile を編集し、EXTRACFLAGS= の行に -DMAILSUBDIR=\\\"mail\\\" を追加します。
以上の書き換えが終ったら、コンパイルしてインストールします(Linux で PAM を使う場合の例です)。平文認証を認めないようにするのであれば PASSWDTYPE=nul も付けるといいでしょう。POP3 も使うのであれば ipop3d もインストールしてください。
/etc/service に次の行があることを確認します。
inetd から imapd を起動するのであれば、/etc/inetd.conf に次の行を設定し、起 動している inetd に対して SIGHUP を送ってください。この例では tcpd 経由で起動さ せているので、tcpd の設定(hosts.allow, hosts.deny)も合わせて行ってください。
tcpserver と daemontools を組み合わせて、imapd を起動するのであれば、次のよ うな ./run を作ってください。詳しくは daemontools HOW-TO をご覧下さい。
#!/bin/sh # imapd exec env - PATH="/usr/local/sbin:$PATH" \ tcpserver -vR -c40 -xtcp.cdb -u0 -g0 0 imap imapd 2>&1