D. J. Bernstein
TCP/IP
ucspi-tcp
tcpclient は出ていく TCP 接続を生成します。
使い方
tcpclient opts host port prog
opts は getopt 形式のオプション郡です。
host は一つの引数です。
port は一つの引数です。
prog は一つ以上の引数から成ります。
tcpclient は TCP サーバへ接続を試みます。
成功すれば、prog を起動します。
このとき、 記述子 6 でネットワークから読み込み、記述子 7 でネットワークへ書き出します。
いくつかの 環境変数 も設定します。
サーバのアドレスは host と port によって与えられます。
port は /etc/services での名前あるいは番号です。
host はローカルマシンを参照する 0 か、ドット付き10進表記 IP アドレスか、あるいはホスト名です。
ホスト名は dns_ip4_qualify を用いた 限定/修飾(qualification) を通して与えられます。
サーバが複数の IP アドレスを持っていれば、tcpclient は順番にそれぞれのアドレスを試します。
オプション
一般オプション:
- -q: 無言モード。エラーメッセージを出力しません。
- -Q: (デフォルト) エラーメッセージを出力します。
- -v: 多言モード。エラーメッセージとステータスメッセージを出力します。
接続オプション:
- -T x+y:
x+y 秒後に接続の試みを諦めます。
デフォルト: 2+58。
ホストが複数の IP アドレスを持っている場合、tcpclient は一番目の IP アドレスに接続を試み、x 秒待ち、二番目の IP アドレスに接続を試み、x 秒待ち、と繰り返します。それから、タイムアウトしたそれぞれのアドレスを各アドレス毎に y 秒待って再び試みます。
二番目の試みをとばすために +y を省いてもかまいません。
バージョン 0.88 より前では、tcpclient(訳注を参照) は x (デフォルト: 60) のみを用いています。 (訳注: 原文では tcpserver と記述されているが、文脈上 tcpclient の間違いと思われる)
- -i localip:
接続のローカル側の IP アドレスとして localip を使います。
localip が利用できなければ終了します。
普通は tcpclient がオペレーションシステムにアドレスを選ばせます。
- -p localport:
接続のローカル側の TCP ポートとして localport を使います。
localport が利用できなければ終了します。
普通は tcpclient がオペレーションシステムにポートを選ばせます。
- -d:
リモートホストの返答が遅いときにはデータ送信を遅らせます。
これは今のところデフォルトですが、今後はそうでないかもしれません。
遅らせたいのであれば、はっきりと設定してください。
- -D:
データ送信を遅らせません。TCP_NODELAY を有効にします。
データ収集オプション:
- -h: (デフォルト)
環境変数 $TCPREMOTEHOST を設定するために DNS でリモートホスト名を調べます。
- -H:
DNS でリモートホスト名を調べません。
環境変数 $TCPREMOTEHOST を取り除きます。
- -l localname:
DNS でローカルホスト名を調べません。
環境変数 $TCPLOCALHOST には localname を使います。
localname の共用選択(common choice)は 0 です。
- -r: (デフォルト)
リモートホストから $TCPREMOTEINFO の取得を試みます。
- -R:
リモートホストから $TCPREMOTEINFO の取得を試みません。
- -t n:
n 秒後に $TCPREMOTEINFO 接続の試みを諦めます。
デフォルト: 26。
訳:滝澤 隆史
Last modified: Sun Nov 19 22:40:48 2000